英語教育の教科書

教科書は札幌農学校のすべての科目で使用されたわけではないが、年報など各種の記録や図書館の蔵書、また、学生たちの日記や回想から、教科書や参考書として使用されたことがわかるものがある。そのほとんどが英書、つまり外国人により英語で書かれたものだった。「英語の教科書」は大きく2種類に分けられる。英語で書かれた各専門分野の教科書と、英語を学ぶための教科書である。教科書や参考書は図書館(当時の名称は「書籍室」)に備えられ、学生たちに貸出されていた。

図書館には、何冊も、時には数十冊も同じものが揃えられた書籍があり、これらの書籍が教科書と考えられている。何冊もの同じ書籍は、学生たちが一度に使うための配慮であろう。

一方、専門的で種類が多く、部数の少ない書籍が参考書と考えられる。