英語を学ぶ教科書

外国人教師たちの多くは専門分野と英語の両方を担当した。英語の講義では、スピーキング、ライティングや暗誦が共通して行われた。教師によっては語学の書籍に加え、文学、地理、歴史、論理学、修辞学などの書籍を教科書として用い、語学と教養の教育を併せて行った。国際性を養い、全人教育を目指した札幌農学校らしい特徴である。

クラークは将来のリーダーにとって演説が重要であるとし、Shakespeareの“Julius Caesar”からブルータスや アントニーの演説を学生たちに練習させた。カッターの講義でも“Julius Caesar”“ Much ado about nothing”が取り上げられた。附属図書館に伝わるShakespeare作品には、教科書として使用されたからであろうか、多くの書き込みが残る。

Shakespeare's comedy of much ado about nothing / edited, with notes by William J. Rolfe
1879年(札幌農学校文庫 822/SHI)
Shakespeare‘s tragedy of Julius Caesar / edited, with notes by William J. Rolfe
1879年(札幌農学校文庫 822/SHI)